「吸血の家」読書感想文
おはようございます、うどんです。
先日、二階堂黎人さんの「吸血の家」を読み終えた。
せっかくなので、感想を書きたいと思う。
ちなみに、以前読んだ「地獄の奇術師」と同じ”二階堂蘭子シリーズ”となっている。
これを書いた頃には読み終えてたはずなのに、感想を載せるのが今日になってしまった。
ちなみにこの記事を載せた時点で、次の「ユリ迷宮」も読み終わってしまっている。
ネタバレはないように気を付けて書こうとは思ってしますが、展開をにおわせたり配慮が足りずにネタバレしてしまった場合は、申し訳ございません。
吸血の家/二階堂黎人
(5点満点)
おもしろ度:★★★★
おすすめ度:★★★
中村警部 :★★★★★
あらすじ
以上がAmazonに載っていたあらすじ。
とりあえず読んだ感想をまとめてみると…
①翡翠姫の亡霊、というやはり魅力的すぎる犯人像
②足跡のない殺人、という魅力的すぎるワード
③あまりにも頼りなさすぎる警察官たち
以上となる。
①翡翠姫の亡霊、というやはり魅力的すぎる犯人像
前作の"地獄の奇術師"もそうだが、なんて魅力的な犯人像なのだろう。
言葉の響きもいいし、代々伝わる亡霊の殺人という展開もステキだ。
また、足跡のない殺人に密室という、亡霊らしい展開も面白い。
ただ、"翡翠姫"と、彼女が血を啜ったことからくる別名"血吸い姫"、屋号の"久月"とくると少し駄洒落じみている気もするが。
この設定だけでも、こういったおどろおどろしい雰囲気が好きなら読む価値があるのではないだろうか。
②足跡のない殺人、という魅力的すぎるワード
ステキですよね!足跡のない殺人!
もう、この神秘的な響きは心にグッとくる。
まぁ他の足跡のない殺人の名作ほとんど読んだことないけれども。
他のトリックはほとんど知らないけれど、過去の殺人で使われたトリックは華麗すぎる。
最初私も黎人と同じ解釈しか思いつかなかったが、まさかあんな方法があるとは!
とにかくこのトリックだけでもこの作品を読む価値あるんじゃってくらい無駄のない素晴らしいトリックだと思える。
③あまりにも頼りなさすぎる警察官たち
これは若干マイナスの面でもあると思うけど、この作品の警察はあまりにも頼りなさすぎるのではないだろうか。
いくら警視正の父という強力すぎる後ろ盾があるとはいえ、大学生2人がずいずい警察の捜査に入り込む上、捜査方針や今後どう動くかさえ蘭子に聞く始末。
もはや頼りなさすぎて中村警部に可愛ささえ感じてしまうほどである。
以上が感想である。
警察官が頼りないのがこのシリーズの特徴なのかわからないが、この作品ではあまりにも顕著である。さすがにひどすぎて、一番よく出てきて主人公たちからも信頼が厚い中村警部という人物にはポンコツ的愛着までわきかけてくる。今度、中村警部のかわいいところBEST3でもやろうと思うくらい。
まぁそれはともかく、本格ミステリとしての完成度が高いことだけは間違いない。
本格ミステリが好きな人は、足跡のない殺人のトリックと強烈な犯人像だけでも読む価値有りなので、ぜひ!
本の中で読めなかった漢字や意味のわからなかった単語まとめ
・アンカ
炭火、電気ヒーター、化学発熱体などを内蔵した一人用可搬型の採暖用保温具。
・先刻
読みは"せんこく"。意味はさきほど。
・匕首
あいくち。
鍔の無い短刀のこと。
ドスのような形をしている。
・具象
ぐしょう。物が実際にそなえている形のこと。
・小母さま
おばさま。
父または母の姉にあたる人には「伯母」、父または母の妹にあたる人には「叔母」を使う。
上記以外の親族で自分より年上の女性の場合や、近所のおばさんなどの年配の女性を表す場合は「小母」と書くらしい。
作品内では遠縁にあたるから、小母さまと表記しているようだ。
伯母と叔母と小母に違いがあるなんて…。